最近、離乳食で話題になっているBLW(Baby Let Weaning)
直訳すると赤ちゃん主導の離乳食。簡単に言うと
親が与えるのではなく赤ちゃんが自分の食べたいものを自ら選んで食べる
ドロドロにしたり小さく刻んだりせず、基本的には大人の食事を取り分ける(なので大人のご飯も味は薄くね、もちろん喉につまらない工夫は必要だよ)
赤ちゃんが自分で食べるには最初は食具は使えないから、結果的に手づかみだべだよね
という考え方です。
見た方が分かりやすいと思うので、早速実際にBLWを実践中のAYAさんの写真をご覧ください。
BLWのイメージ
初めての離乳食
イメージ的にはこんな感じです。
野菜を茹でたものを数種類並べて、本人に選ばせて、お口でガジガジしてみると言う遊びの延長で食事を食べると言う力を養っていきます。
こちらはインタビューを受けてくれたAYAさんのお子さんA君。食材を熱心に研究中です。何と可愛い仕草。
初めての離乳食が終わった様子
研究が終わりました!かぼちゃの柔らかくて飲み込みやすい部分だけ食べられた様子ですね!
人参とブロッコリーもカミカミしてエキスを吸っていることでしょう。
少しイメージできましたか?
では早速AYAさんへのインタビューです。
どうやって始めたのですか?最初のポイントなどがあれば教えてください
AYAさん
6ヶ月に入って腰が座った頃から始めました。
始める前にはこの本を読みました。
「自分で食べる!」が食べる力を育てる 赤ちゃん主導の離乳(BLW)入門 / ジル・ラプレイ
イギリスで出されてる本の和訳で赤ちゃんにいきなりラムチョップを与えてる写真にびっくりしましたが、今息子はラム肉大好きです笑。
最初は人参、ブロッコリー、大根など掴みやすそうなものを茹でただけのものから始めました。
子供の反応はどうでしたか?
AYAさん
最初は人参がツルツル滑るようでなかなか掴めず笑
(お風呂の中でぷかぷか浮かぶオモチャを掴む遊びをして掴む練習してました)
野菜を口に入れて噛んではべぇーっと出してました。
赤ちゃんにとってはまさに遊びの延長!最初から手で食べることによって手指の巧緻性や手加減の上達に繋がりますね。
まずはおもちゃを自分のお口に持っていけるようになる事の練習も大切です。
生後5,6ヶ月前後の赤ちゃんにとって、掴みにくいものを自分の意思でお口に入れるのは、高度な技です。
やってよかったと思う事はありますか?
AYAさん
第一に食べるのが好きな子になった事。
朝起きてまず「まんま」と言ってきます。笑
親としてblwと言う食育を通して色々学べた事。
(添加物のことや味覚形成のこと、そして赤ちゃんの能力を信じることなど)
従来のやり方とは違うやり方をすることによって、自ら勉強しなければならない環境に身を置いたとも考えられますね。
一見、離乳食とは関係のなさそうな「赤ちゃんの能力を信じること」は育児全般で大切なことなので、素晴らしい気づきだと思いました。
私はこの大切さに気がついたのは随分後のことなので・・・
また親がスプーンで与える必要がないので、赤ちゃんと一緒にママも食事ができ、赤ちゃんがママの食べる様子をじっくり観察できるという点も良いですね。
赤ちゃんは真似して覚えて行くので、家族が食べている所を見せるのはとても大切です。
デメリットと感じたことはありますか?
AYAさん
片付け。。それだけです笑笑
とにかく散らかります。
基本、手掴み食べなので食べ物を触った手で顔や頭を触りますよね。最初はテーブルごとお皿にしてしまった方が良さそうですね。お皿に乗せてもひっくり返して遊ぶ可能性も高いです。
ただ、わざとでなくても下に落としてしまうので多めに用意(ストック)してく方が良いかもしれませんね。
固形をそのまま食べさせる事に窒息などの心配はなかったですか?
AYAさん
窒息の心配は従来の離乳食でも確率的には同じと言われています。まず咽頭反射と言うものがあると言うことを知っておくと良いと思います。
万が一の窒息に備えて、赤十字のセミナーを受講するママもいました。
1人で食べるからといって目を離さない事や、野菜や果物の切り方(切り目を入れたりなどの工夫)、丸いものは4等分に切っておくなどを行って、喉に詰まる可能性を想定した対策をしていました。
咽頭反射とは刺激により誘発されるオエっとするような反射のこと(嘔吐はしない)。
BLWは赤ちゃんはこの反射が浅いところで起きるので、赤ちゃん自身がどの大きさなら飲み込めるかを学習している最中と言っています。
固形と言っても、口の中に入れると潰れる硬さまで茹でたり、赤ちゃんが噛んでも噛み切れないもの(白菜の芯やゴボウを20㎝位上の長さで渡すなど)工夫が必要です。
噛みきれないものを長めに用意しておくと、万が一飲み込んでも取り出してあげられます。
また、離乳食初期の赤ちゃんには押し出し反射(舌挺出反射)と言うものがあり、固形物を舌で押し出して出そうとする反射があります。(反射とは自分の意思とは無関係に体がそう反応するもの)
その為、従来のドロドロ離乳食から初めても赤ちゃんはなかなか飲み込まずにベーっと出してしまうこともよくあります。
最初は飲み込む事を目的とするのではなく、自分で食べる事、カミカミする事(エキスを吸うイメージ)から、食べる練習を始めましょう。
窒息対応が学べる所
実際に赤ちゃんのお人形を利用して窒息の対応を学びたいという方は以下を検索してみてください。
実は。。。私自身も窒息対応の知識が少しあります。CA時代に応急処置を教える教官をやっていました。教えるための免許は期限切れになってしまいましたが、教えて欲しいという方は個別にメッセージください。
BLWを取り入れるか悩んでいる方へメッセージ
BLWを取り入れようかどうか悩んでいる方や、これから離乳食を始めるママ達にメッセージをお願いします!
AYAさん
初めは本当に「ほとんど胃には入ってないだろうな」というくらい、食べこぼしてるだけでした。
従来のやり方の方が確実にお口に運んであげれるかな、、とも思いましたが、「おっぱいとミルクを飲みさえすれば大丈夫!」と言い聞かせてました。
月齢が上がるごとに急に食べなくなったりやたら食べたりと変化がありますが、神経質にならずに、
今日も元気で顔色がいい!
一緒に楽しく今日もご飯食べれた!
そして、私、今日もご飯作って片付けてえらいわー!
と自分を褒めて、今しかない時間を一緒に楽しみましょう!
BLWというやり方にこだわらなくても、自分の意思で手づかみ食べをさせる事をしていると、手先も器用になり脳の成長にも良いと言われています。
私が離乳食をしていた時期には、BLWという概念はなかったですが、この本を参考にして離乳食初期から手づかみ食べをさせていました。
そのお陰か、手先は器用になり、1歳2ヶ月くらいの時から自分でスプーンで食べられるようになりましたよ!
ママがつきっきりで食べさせてあげる必要はないので(一緒に食べながら見守る)、手づかみであれ自分で食べてくれるということはとても楽でした!
利用していたサイトや(よく見ていたサイト)アプリなど
まだまだBLWの情報は日本では少ないですが、AYAさんはどのようにして日々情報を得ていましたか?
AYAさん
インスタでblwで食育してるママさんアカウントをよく見てます!
インスタでお友達ママもできました。
#blw
#赤ちゃん主導の離乳食
#blwmamaclub
などでたくさんのママたちのアイデアがみれますよ!
ただ、大事なことは他人と比べないのが1番だと思います!
昔ながらの日本の離乳食に似ている
BLWは響きからしても、なんだか最新の離乳食?のように感じたり、日本の離乳食のイメージとは違った方法のように見えるので、初めての子育てのママにとっては少し抵抗がある方もいるかもしれません。
しかし、よくよく見てみると昔ながらの日本の離乳食と共通点がたくさんあります。
- 食べさせるのではなく、自分で食べる
- 親の取り分け(親も薄味)を与えて離乳食という特別なものは作らない
- 親と食卓を囲み一緒に食事をする(赤ちゃんだけのご飯タイムにしない)
動物界での離乳は親から与えられるのではなく、自ら食べられるようになる事を意味しているようです。本来ヒトも同じような考え方で離乳をしていたのではないかと思います。
私たちママは、栄養面の事を心配しがちです。どうしても飲み込ませようとしてしまいます。
しかし、離乳食で培われる力は他にもあるのです。
生きる上での土台となる「自ら捕食する」という行動を練習する機会を親が奪ってしまうと、お口を開けて待っていて自立が遅くなってしまうのではしょうか。
毎日3食、自分で食べた子。毎日3食、親に与えられた子。
子供の能力を伸ばしてあげられる環境は、どちらだと思いますか?
まとめ
BLWの
- 手づかみで食べさせる
- 大人が口に運ばない
という点は、個人的には賛成です!
BLWのやり方を全て取り入れるというより、上手に良い所を取り入れて、子供もママもご機嫌な時間を過ごすのがオススメです。