子供の疑問 どうして人を殺してはいけないの?
子供から「どうして人を殺しはいけないのか?」そんな質問をされて困った経験はありませんか?
このような質問はされずに終わる可能性もありますが、もしこのような質問をされたらどう答えますか?
こんな疑問を持つこと自体が変わってる・・・そう思う方もいらっしゃるかもしれませんね。私の捉え方は違っていて、子供らしい純粋な疑問だと思いました。大人はなぜ人を殺してはいけないか?という疑問はなかなか考えないですよね。
こんな疑問を持つなんてどうかしている・・・そんな風に考える前に、こんな疑問を持った子供たちに学びのチャンスを与えてみませんか?
この時、私自身が気をつけたいのは、子供が納得するような回答ができなくて「ダメなものはダメなの!」となってしまわないようにすること。特に納得するまで聞いてくるタイプの子供は、大人も答えられないような質問をしてくる可能性があります。
親としては正直面倒だなと思う場合もあるかもしれませんが、こんな時こそ対等にコミュニケーションを取るように心かけたいと思っています。
疑問に向き合えば子供が学べるチャンスになる
この疑問に真剣に答えようとすると、今まで自分が何を学んできたのか?歴史的背景はどうなっているのか?など自分自身の知識や経験をフルに活用することになるので、個人的にはとても興味深い疑問です。
もし、回答に行き詰まったら、子供と一緒に調べてみるのはどうでしょうか?
この疑問に真剣に向き合えば、歴史、社会、心理、道徳など総合的な勉強になるのではないかと思っています。子供自身が疑問に思うことを学びに利用しない手はないです!
恐らく多くの親は「もし自分が殺されたらどう思うか?」「家族が殺されたらどう思うか?」という感情的な部分を考えるような投げかけをするのではないかと思います。
これで納得できる子供もいれば、「私は構わない」という子もいるかもしれません。
感情的アプローチでは納得できない子には視点を変える
感情的アプローチでは納得できないという子には視点を変えて考えてみてもらうのが良いかもしれません。
別の視点とは「人を殺しても良いというルールの世界」
もし「人を殺しても良い世界」では人々はどんな生活になるのかを想像してもらうのです。
もし人を殺しても良い世界だと、毎日安心して暮らせるかな?という視点です。スーパーでお買い物をする物に対しての信用、街を無防備に歩いている事へのリスク、学校など不特定多数の人が集まるリスク・・・・
ルールが違ったとしたらどうなると思う?という視点で子供自身に考えてもらうのも良いかもしれません。
学ぶ楽しさを知る
一緒に子供と学ぶ時には「いつから人を殺してはいけないルールが出来たのか?」などから始めると、お勉強としては面白いかもしれませんね。
歴史を遡っていくと、肌の色で殺しても良いとされてきた時代や、生贄や儀式として殺しても良いとされてきた時代がありました。
部族によっては、生命力の弱い子や女の子というだけで殺されたり、移動するのに邪魔になるという理由で老人を殺したり、女性の数をコントロールして人口を増やさないようにするという考え方もあったようです。
人口が増えるということは、限りある食料が減り食べられなくなるということなので死活問題です。強い者だけが残るという考え方を優先してきた部族や時代もあるようです。
今の地球も、そういう意味では現在のまま人口が増えれば食料危機になると言われています。なぜ人を殺してはいけないの?という疑問から、一緒に学べば「地球環境問題や人口増加問題」まで発展させることができるかもしれません。
こうやって、何かの疑問を自分で調べたり、どんな問題と繋がっているのかを深掘りさせてあげる方法を教えてあげるチャンスになるのではないかと思っています。このような勉強なら自らやると思いませんか?
親が感情的な部分だけに訴えるよりアクティブラーニング出来る学びに繋がるはずです。
最後は、もしあたなたが国のリーダーで地球の人口増加が問題になっていたらどんな政策を考えるか?その時に何を根拠に考えたのか?どんなデータを使ったのか?どんな考え方をしたのか?などを一緒に考えていけば、社会に出た時に役に立つ「考え方」を身につける練習が出来るのではないかと思います。
疑問を持つのは素晴らしい
子供の疑問って大人からすると面倒なことが多いかもしれないですが、私は「疑問に思うことは素晴らしい!」「聞いてくれてありがとう!」「一緒に考えてみよう!」そんなメッセージを伝えたいと思っています。
「どうしてそんな事疑問に思うの?」「また面倒な疑問だな・・・」というスタンスで接すると、「自分はおかしいんだ」「自分が考えていることはいけないことだ」と思ってしまい、個人的には自己肯定感への影響が気になる所です。
社会人になって上司に質問できない、疑問をアウトプットすることでどう思われるか不安などという大人もいます。
子供の疑問から大人が学ぶこともあるのではないでしょうか。